あっという間に10月ですね。秋季訓練競技大会まで、もう1ヶ月きりました。
暑いあいだもパーツ練習をコツコツ続けてこられたと思います。空気が少し涼しくなってきた今、いよいよ本番に向けた練習にしっかり切り替えていけそうですね。
この1ヶ月は、「新しく足さない」×「点から線へ」の二本柱でいきましょう。
(※新しいバリエーションは足さず、今ある強みを太くするイメージです。)
まず決める/まず削る
- 合格基準を固定
- 力の入れ方、姿勢や形を明確にする。
- 点と点を線にする作業にとりかかる(パーツの練習から本番の為の練習に)。
- やらない宣言
- 新しいバリエーションは足さない(今ある強みを太くする)。
- テンションを上げるために“超簡単戻し”はしない(盛り上げ目的で基準を下げない)。
仕上げの柱①:一声符→形の再現を“当たり前”に
(この柱は以前もお伝えしていますが、直前期こそ徹底します)
- 外れたら=注意(=損)を短く単発で伝え、合格基準に即復帰。
- 確認褒めは必ず入れるが冷静・短く・一定(報酬は結びつけない)。
- 本褒めはクリーン一本にのみ。褒め・ご褒美の頻度は可変、ただし出すと決めた回は毎回しっかり。
仕上げの柱②:継ぎ目を“作業の連続”に — 超重要
- 脚側(リンクイン)→申告→脚側(スタート位置に移動)→… 移動・待機・整えを作業の一部として扱う。
- 「間(ま)」を休憩にしない——次の指示へアクセス可能な姿勢を維持。
- 音・匂い・動き(子供や犬の吠え声、いつもと違う地面環境、人や犬の往来 など)に敢えて晒す。
その状況でも、上記の連続(脚側→申告→脚側…)を“作業”として維持できるようにします。
②は、全体を通してもっとも難しいパートですが、日頃からこの“連続”を意識していれば涼しくなってきた今の時期は集中が保ちやすく、仕上げに弾みがつきます。
いまは「間を休憩にしない」を合言葉に、作業全体をひとつの流れとして整えていきましょう。
よくある直前の落とし穴:「混乱がないのに“超簡単”へ戻す」
1) 超簡単戻しの意味
- 超簡単戻し=今の合格基準から難易度を大きく下げて成功を作る対処(距離短縮/雑音カット/合図の強化/手誘導・フード誘導など)。
- 目的は混乱や不安をほどくための“一時的な学習フェーズ”であり、ハンドラーの安心のためではありません。
- 気分の底上げには役立っても、本番での合格基準の再現を強化する練習にはなりづらく、“お願い化しない”土台も育ちにくい。
2) ありがちな失敗と副作用(超重要)
- 混乱なしなのに戻す → やらなくなったからといって簡単に戻すと、“Easyモードで当たりが来る”を学び、ごね得が育ちます。ごね得=練習チャンピオンの温床になってしまいます(汗)
- 混乱ありなのに戻しが遅い → 不安が増幅し、基準そのものが嫌いになる。
まとめ(Dogschool-B.P.としては)
- 足さないで整える。 合格基準を固定し、一声符でそろえる。外れたら注意を単発で伝え→即復帰→確認褒め。本褒めはクリーン一本のみ(頻度は可変でも、出す回はしっかり)。テンション上げの見せ直しはしない。
- 連続を切らさない。 脚側→申告→脚側…を“作業の連続”に。間を休憩にしないまま、音・匂い・動きの中でも同じ流れを維持。いまは涼しく集中が続きやすい時期です。
- 戻しは例外。 超簡単戻しは原則なし。混乱時のみ一度下げて成功→確認褒めは本褒め級で数回→すぐ基準復帰。安易な戻しは“Easyモード”学習を招き、ごね得=つまらなければやらない=練習チャンピオン(汗)。
結論: 足さないで整える。基準はぶらさず、連続は切らさない。
この二点に絞って積み上げれば、練習の形をそのまま本番の“作業”へ持ち込めるはず。
あと一ヶ月、落ち着いて一歩ずつ頑張っていきましょう。